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GO MAD 日記日記とか雑文とかもろもろPAGE | 3 1 5 14 13 12 10 9 7 6 | ADMIN | WRITE 2009.09.04 Fri 10:51:28 彼への想い(日課)「あ、ストーカーだ」
「あ、えっと、はい、ストーカーです」 それが、私と千賀ちゃんの初めての出会いだった。 「あんなにストレートに言われたのは初めてだったよ」 「ごめん、私つい思ったことが口に出ちゃうんだよね…」 千賀ちゃんが困ったように頭をガシガシと掻きあげる。 そんな乱暴な仕草をしても、綺麗な千賀ちゃんは綺麗。 いいなあ、うらやましい。 「皆、思っていても言わないことだから、新鮮だった」 「あー、もうしないってば」 「あ、違うの。責めてるんじゃなくて、嬉しかったの。正直な子だなあって、遠巻きに見られているより、ずっと嬉しい」 自分で十分痛いやつだって分かってるけど、やっぱり遠巻きに見られて何か言われるのは悲しい。 だから、千賀ちゃんぐらいはっきりしてくれるのは、気持ちがいい。 千賀ちゃんがいてくれたおかげで、クラスで友達できたし、うかないですんだ。 とてもとても、嬉しい。 「千賀ちゃんがいてくれて、よかったよ」 「あんたって、本当に感情表現が直球よね………」 顔を赤くして、千賀ちゃんが笑う。 ストレートなのは千賀ちゃんの方だと思う。 笑って怒って、きらきらしている。 「あいつにも、よくやるよね。そんなにふられて、どうして諦めないの?」 「うーん」 「あ、っと、また表現が悪かったね。ごめん!」 「ああ、いいよ。普通に話して」 千賀ちゃんの、迷いのない飾りのない言葉が好き。 そのはきはきとした言葉は、とっても気持ちがいい。 「痛いよねえ。諦め悪いストーカーだよねえ。でも、私は、友ちゃんを好きでいることが楽しいから」 「ふられても?」 「ふられても。友ちゃんを想うことが楽しいから。辛いし、悲しいけどね。でも………」 「でも?」 千賀ちゃんが、不思議そうに私を見ている。 私は彼のぴんと伸びた背中を思い出して、ちょっと笑う。 いつでも思い出せる、大好きな背中。 「楽しいから諦められないんだ」 たとえ、それが叶わない想いでも。 そしてそれが、叶わない想いだからこそ。 PR TrackbacksTRACKBACK URL : CommentsComment Form |