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文化祭(青白)



「おい、ちょっとこい、三薙」

さっさと着替えたいのだが、その格好のままお酌しろとか、双兄にも岡野にもおっさんみたいなことを言われていまだに俺はスカートのまま。
もう慣れてきたし周りも何もいわなくなったが、すーすーして落ち着かない。
ちょっと屈むと普通にパンツ見えるし。
女の子ってよくこんな頼りないもの着れるな。
お腹冷えそうだし、派手な動きできないし、とにかく落ち着かない。
女の子って大変だ。
女心がひとつ分かった気がする。

もうこの際開きなおる。
いい勉強になったと思っておこう。
代償は大きすぎたが。

「何?」
「いいか、あのギャルが1」
「は?」

双兄が顎でしゃくった先には、ちらちらとこちらを見ている佐藤と槇と岡野。
教室内の女子の視線は自然とこちらに向かっている。
まあ、いいけどさ。
慣れているけどさ。

「で、あのお団子の子が2」
「へ?」

ギャルっていうのは、岡野かな。
ギャルっていうかむしろヤンキーよりな感じもしないでもないが。
まあ、ギャルだよな、派手だし。
ちょっと言葉遣いも態度も乱暴だし。
でも、すっごい優しいしいい子だよな。

お団子っていうのは、佐藤か。
最近ちょっと元気なかったけど、ようやく元気復活してきたかな。
さっきも自然だったし、早く元に戻ってくれるといい。

「で、あの清純派が3」
「うん?」

槇のことか。
今時の女の子からするとぽっちゃりしているが、槇の穏やかで優しい雰囲気にはすごくあっている。
肌も白くてふわふわしていそうで、思わず触りたくなる。
穏やかで優しいのに、いざっていうときはしっかりした芯の強い子だ。

「さあ、どれだ」
「は?」

双兄が何を言ってるのかわからず、さっきから間抜けな疑問符の連発だ。
俺が首を傾げると、双兄は仕事中のような真剣な顔をしていた。

「俺は2だ」
「だから何?」
「お前らは?」

双兄はテーブルに視線を巡らせる。
紙コップでコーラを啜っていた天が何気なく答える。

「1」
「栞ちゃんと真逆じゃねえか」
「それとこれとは別の話」

四天と双兄の視線が一兄に集まる。
一兄もやっすいインスタントコーヒーをテーブルに置くと表情を変えることなく答えた。

「3」
「一矢兄さんも1かと思った」
「洋食ばかりだと和食が恋しくなる」

納得したように双兄と天が頷く。
双兄はにかっと笑うと、アイスコーヒーが入っていたすでに中身のない紙コップを握り閉める。

「じゃあ俺2で。ああいうタイプもいいよな」
「双馬兄さんはなんでもいいんでしょう」
「当たり前だ」

いっそすがすがしいほど言いきってみせる。
そう言われると、もう何も言えなくなる。
そして三人の視線が俺に一斉に向かう。

「で、お前は?」
「え、え、え!?」

焦って話題にあがっている三人を思わず見てしまう。
三人はにこっと笑ってこちらに手を振ってくれた。
顔が熱くなる。
女の子はやっぱり、かわいい。
えっと、あの中で選ぶとしたら。

じゃなくて!

「ていうか、何いってんだよ!そ、そんな、選べるわけないだろ!」

そんな風にあの三人を見るのはなんか失礼な気がする。
ていうか少し仲良くなったばかりなのに、顔が見れなくなりそうだ。
次しゃべる時に変に意識してしまいそう。

「さ、三人とも、選べないよ!」

誰にも聞こえないように小さな声でぼそっと言うと。
双兄は真面目な顔で頷いた。

「三薙は三人全員、と。いやあ、豪気だ」
「さすが兄さん。男らしいなあ」
「大きくなったな、三薙」

口々に俺を褒めたたえ、肩や腕をぽんと叩く兄2人と弟。
俺は熱くなった頭を抱えて、叫んだ。

「そんなこといってねえええ!!!」

そして教室中の視線を集めた。

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