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手をつなぐ(野良犬)

「………なんで、手をつないでんの?」
「え、つなぎたいから?」

いつの間にか、本当にいつの間にかごく自然に細くてなめらかな手が私の手に絡んでいた。
くそ、すべすべしててムカつく。

「…………」
「あ、赤くなってる」
「うるさい!!」
「手、つなぎたくない?」
「つ、つなぎたくない!」

一瞬なんか迷いが生じた気がしたけど、気のせいだ。
私はこいつとなんか、手をつなぎたくなんかない。
絶対ない。
間違いなくない。

「そっか」

私が前を向いたまま言うと、あっさり野口はそう答えた。
それからしばらく無言で歩く。

「…だ、だからなんで手を放さないのよ」
「え、だってつなぎたいもん」
「だから、私はつなぎたくない!」
「いやだって、俺はつなぎたいし」

は、話が通じない。
いつもいつも思うが、こいつ基本的に人の話を聞いてない。
ていうか話は聞くが、それを実行はしない。

「だ、だから」
「嫌だったら、殴ってでも振りほどけばいいじゃん」
「て、手をつながれてちゃ殴れないじゃん!」

そうだ。
そういうことだ。
殴ったりできないから、振りほどけないのだ。
なんとなく、自分から話すのが惜しいな、とかは思ってない。
絶対思っていない。

「そっか、手を握ってたら殴られないのか。いいこと知った」

そう言って、隣の眼鏡は更に手の力を込めた。
その熱に、更に体の体温が上がる。

「~~~っ」
「あ、手に汗かいてきた。緊張してる?」
「だ、ば、ちが」

くっそ、なんで私はこんな新陳代謝がいいんだ。
悔しいやら恥ずかしいやらムカつくやらで、言葉にならない。
顔が熱い。
これは怒りだ。
それ以外の感情はない。

「手を握るのって、なんかいいね」
「…………」
「心がつながってるって感じ。ついでに体もつなげたいね」

その言葉に、今度こそ私は隣の男を蹴り倒した。

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