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移転に関して

突然の移転でご迷惑おかけいたしました。

infoseekを長年愛用していたのですが、広告非表示を申し込もうと思ったら
無料版が10月一杯でサービス終了らしくてあらびっくり。

有料版で継続使用を考えたのですが、URLも変わってしまうし、文字サイトであるうちにとって、
あまり有料版のオプションにメリットがなかったのでサーバーごと移転となりました。

そしたら今度のサーバーはCGI使えないことに気づいてまたびっくり。
今までの感想用メルフォとか日記とか使えなくなってしまいました。
ということでいよいよ使い道に困っていたこっちのブログに移行します。
しかしブログ使いづらい。

CGI使用OKなところに行こうと思ったんですが、その前に広告非表示オプション申し込んじゃってました。
勢いでサーバー移転とかするものじゃないですね。
もっと検討しておけばよかった。
いつだって先走って後悔するんだ。

金かけたからにはここに居座ることにします。


てことでこれからもよろしくお願いいたします!

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小説用リンク

■小説に飛べるように


◇日課
彼への想い

◇野良犬の恋
手をつなぐ

◇雪道
君と僕をつなぐもの

◇白青
文化祭

◇World
眼鏡

◇その他
契約 (BL)
それが俺達の日常
お約束だけ出来ぬ人

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お約束だけできぬ人



「ああ、髪を結っているのですね」
「だから、女の身支度を勝手に覗くなって言わなかったかい、このトンチキが」

いつものように無遠慮に庭から家に上がりこむ男に、女は盛大にため息をついた。
髪を梳いていた柘植の櫛を傍らにおき、襦袢のあわせをそっと直す。

「あなたが髪を結っている姿は、たまらなくそそりますね」
「口説き文句もなっちゃいないね、もっと気の利いた表現をしてご覧よ」

冷たい言葉にも、男はめげずに今に上がりこむ。
もう慣れっこの女は、もう一度軽くため息をつくと櫛をとった。
男はそれに興味を惹かれたように、子供のようにねだる。

「私に、髪を梳かせてもらえませんか」
「旦那でもない男に髪を触らせるほど、安くはないつもりだよ」

女は振り向きもせず、そう切り捨てた。
瞬間、太くたくましい腕が、女の体を捕らえた。
その加減を知らない強さに、息を呑む。
首筋に熱い熱を感じて、体が震える。

「……なんのつもりだい」
「どうして、振り向いてくれないんだ。好きなんだ。あなたが好きなんだ」

つたなくそっけない、けれどそれゆえにまっすぐで飾りない言葉。
身を引き絞られるような痛みが、女の胸を指す。
一瞬、前をむいたまま男に見えないように唇を噛む。

「……とおも年下の男にうつつを抜かす囲い者か。そりゃ大層な見ものだね」
「そんなの関係ない!俺があなたを守る!」
「そういうのは、自分で稼げるようになってからお言い。坊や」

男の腕に、さらに力がこもる。
けれどやはり、女は前を向いたまま。

「……あなたの心の氷室の雪は、いつか世に出て溶けるでしょうか」

昔馴染んだ、言葉遊び。
女はそっと、笑う。

「本当に困ったお坊ちゃんだよ。無理を通せば道理がひっこむのかい?」
「……あなたはひどい人だ」
「ああ、そうだよ。とっとと愛想尽かしちまいな」

ああ、でも、本当に。

嫌なお方の親切よりも、てなもんだ。



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それが俺達の日常

「ねえ、あんたさ、直哉のことどう思ってるの?」

唐突にみずほがそんなことを聞いてくる。
せっかくのみずほとの二人きりの時間。
あんなやつの話はしたくない。

「………馬鹿」
「成績はあんたと小学校バスケチームとNBAレベルの差があるわよ。まあ、馬鹿だけど」
「馬鹿以外のなんでもないだろう!なんていうか存在が!」
「まあ、馬鹿よね」

みずほは小さく肩をすくめる。
だからあいつの話なんてしたくないんだ。
俺はみずほと、二人の話をしたい!
デートの行き先とか!
二人の将来とか!

無理だけどさ。

みずほは俺の嫌そうな顔がわかっているだろうに、先を続ける。
まあ、みずほはそういう女だ。
俺の都合なんて理解はしても、気にすることはないだろう。

「でも、それだけなの?あんたなんでその馬鹿ほうっておかないの?」
「なんでそんなにあの馬鹿の事気にするんだよ!」
「直哉が好きだから。でどうなの?」

鬼だ。
この女は本当に鬼だ。
でも好きなんだよな。
どうしようもなく。
だから、仕方なく答える。

「あいつ、放っておいたらなにするか分からないじゃん。野放しにできねーよ」

特に何も考えずに答えた言葉に、みずほは変な顔をした。
そして大きくため息をつく。

「な、なんだよ」
「直哉は頭いいけど、ばかよね。あんたは頭悪いけど、かしこいわ」

そして、そんな事を言った。

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君と僕をつなぐもの(雪道)

あいつに電話をする時は、いつだって緊張する。

何をしているのか、とか。
今電話してうざがられないか、とか。
重くないかな、とか。
メールのほうがいいのか、とか。

そんなことをいつだって考える。

でもそれでも声が聞きたくて、小さな勇気を振り絞る。
情けなく、どうでもいい理由をつけたりして。
次はいつくるのか聞きたい、とか。
母さんが、話したいといってる、とか。
自分でも情けないぐらい、小さい。

でもやっぱり、俺みたいなガキが焦ってるって思われたくなくて。
好きで好きでしょうがない、なんて態度見せたくなくて。
俺は大人なんだぞって、そう思わせたくて。

余裕があるふりをしたい。
それがガキだって、母さんは笑うけど。

今日も一つ深呼吸。
震える指で携帯を操作する。

と、それより早く携帯から軽快な着メロが鳴り響く。
慌てて母さんに携帯を返そうとして、その画面に出ている名前に心臓が跳ね上がる。
母さんに許可をとるまでもなく、取り落としそうになるぐらい焦って開いて通話ボタンを押す。

「す、鈴鹿?」

声がひっくり返る。
何が大人の余裕だ。
どうしても、こんなにも、いつだっていっぱいいっぱい。
君に関わる全てに、俺はいつだって全力疾走。

『あ、駿君?よかった、大丈夫?お話したくってね』

精一杯虚勢を張る俺に、君はそんなはずんだ声で飛び上がるほど嬉しい事を言う。

『駿君の声、聞きたかったんだ』

ああ、だから。

きっと俺は君に一生かなわない。

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